男こそ知っておきたい女性アスリートの生理との戦い

昨今益々女性の活躍の場も増えてきた社会。

そして、スポーツでも多くの女性が活躍しています。

とても当たり前のことなのですが、彼女達女性アスリートも、女性ですから生理が来ます

もしこのブログの他の記事も読んでくれた方がいれば、生理がいかに大切で、同時にいかに大変であるかは少なからずわかっているかと思います。

オリンピックや世界大会などを戦い抜いている女性アスリートにも、生理はやってきているのです。

今回は女性アスリートの生理の話。

これは本当に男性、特にスポーツを女性に教えている男性などは知っておくべき事のように思います。

やっぱり生理前とかはイラつきやすくなったりするのかな

それはそうなんじゃない? でも確かにアスリートの生理って考えたことないかも

女性アスリートへの生理の影響

正直なところ、あれだけ活躍するパワフルな女性アスリートの世界では、例えば生理を止めるような特殊な薬があったり、周期をコントロールするような特殊な術があったりするのかなぁ、と漠然と思っていました。

しかしどうやらそんなものはないようで。

一般の女性と同じように普通に生理が来て、普通に個人差があり、普通にツライ時はツライ、と。

じゃあ大事な大会とかの時に生理が重なったら結果にも影響出ちゃうんじゃない?

とシンプルに思いますよね。

そうなのです、影響出ちゃうのです

例えば、

生理前にはイラつきやすくなったり、生理とおならの記事で触れたように、体はなるべく水分を溜め込もうとしたりする為に体重も増えやすくなります。

さらに生理中には経血が出ますし、プロスタグランジンの分泌によって身体にさまざまな不調が起きます。

アスリートではない女性と同じように。

そんな状況でも、本気でスポーツに臨まなければいけないのですからちょっと想像しただけでもかなりの苦労。

そもそもこの記事を書こうと思うきっかけとなったのが、元競泳選手でオリンピックも経験している伊東華英さんの記事を読んだから。

生理とオリンピックとが重なった経験、ピルについてなど、多くの非常にためになる事が書かれています。

女性目線の赤裸々なスポーツと生理についての知識が得られますので、少しでも興味を持たれた方は男女問わず読んでみて下さい。

生理と重なった五輪 伊藤華英が語る、女子アスリートと思春期の付き合い方

※外部サイトへのリンクです。

生理が来なくなってこそ一人前、という恐ろしい風習

今でこそそんなことを言うコーチはいないと信じたいですが、ほんの最近までは「生理が来なくなってこそ一人前だ」というとんでもない事が当たり前のように言われていた事実があるのだそう。

生理が来なくなる、つまりは無月経の状態。

強いストレスや過度な肉体的負担などで生理が来なくなってしまう症状です。

「それぐらい追い込んでこそアスリートだ」

なんていう事がまかり通っていた時代があったのですね。

それは一時的にスポーツに集中できる、生理に振り回されず練習に没頭できる、という意味においてのみはいいかもしれません。

しかし最悪の場合その無茶は女性アスリートの女性としての機能を失わせることになるかも知れず、アスリート引退後の生活を真っ暗なものにしてしまうかも知れないのです。

特に無月経になりやすいスポーツも判明しています。

やはり、体重を抑えなければいけないスポーツに無月経はなりやすい傾向があるようで、体操、新体操、マラソン系が特に無月経になりやすいと言われています。

身体のラインの美しさを保つ為に無理な食事制限をしたり、マラソンでは極限まで体重を落として無駄な筋肉をつけないようにしたりしますからね。

無月経はなぜよくないのか?

自然に来るはずの生理が来ないのですから、良いはずはありません

先に書いたような、一時的に生理が来ないことで集中できる時間が増える、ということ以外にはメリットは皆無と言っていいでしょう。

生理と病気の記事でも少し触れましたが、無月経になる要因というのが、

過度な運動、食事制限による慢性的なエネルギー不足

追い込みすぎて精神的ストレス増加

女性ホルモンの分泌量減少

などです。

特に若い頃からスポーツに打ち込んでいると、初潮がそもそも来ない無月経が起こる可能性も高まってしまうと言います。

本来来るべき生理が来ないということは、それだけで身体のバランスが崩れていると言い換えることもできますから、女性アスリートの身体の状態としても万全とは言えないのは明白ですね。

さらに無視できないのが、女性ホルモン。

無月経の場合、本来生理を起こさせる(卵胞を育てていく)エストロゲンの分泌量が減ってしまい、生理も起きなくなってしまいます。

このエストロゲン、まだまだ未解明な点も多いホルモンなのですが、骨を作る上でも大切なホルモンなのです。

つまり、無月経となりエストロゲンが低量しか分泌されていない状態だと、骨がしっかりと作られず骨粗しょう症のリスクも高まってしまいます

特に若い時分から無月経だと、骨がマックス密度となる18歳を迎えても、しっかりと骨が強化しきれていないような状態で一生を過ごすことになる可能性もあり、必然的に骨折しやすくなったりもするのです。

エストロゲン、侮るべからず

とりあえず理解することの大切さ

無月経になることのリスク、少しでも理解して頂ければ幸いです。

しかしこれを、果たして女性アスリートを指導している男性の内どれほどが知っているのでしょう?

もちろん、しっかり理解した上で指導している方も沢山いることと思います。

しかし例えば、学校で部活の指導をしている男性教諭などで理解している方がどれほどいるのか。

――僕は中学生の時バスケットボール部だったのですが、体育館の隣のコートでは男子バスケットボール部よりも遥かにキツそうな内容で女子バスケットボール部が練習していました。

指導していた男性教諭は厳しい指導で有名で、ビンタも平然としまくっていました(10年以上前の話です。今だと完全にアウト)。

それでも女子バスケ部の面々は、涙を堪えながら

「先生ごめんなさい! もっと教えてください!」

なんて言っていて、コンプラだの体罰だのが騒がれることのなかった当時ですら、僕は「うげぇ、あんなのマジムリですわ」と思ったものです。

で、話を戻しますが、果たしてあの先生は生理のこととか知ってたのかな?

ということなのです。

もちろん先生は大人ですし、生理についての知識は少なからずあったと思います。

しかしもっと踏み込んだ知識、というか理解はあったのかな? と考えると、ないだろうなぁ、と思っちゃうわけです。

イメージだけで断定するのは良くないので、もしかしたらそういうのもしっかり理解し、管理していた可能性もあります。

しかしちょっと想像すると、

「先生……今日私生理来ちゃって休みたいんです……」

「ふざけるなドチクショー! トイレで5分で止めて来い! そんなんで都大会勝てると思うのか!」

とか言っちゃいそうなイメージなんですよね……。

そういう乱暴な先生でしたので。

ま、理解無い指導者が多いから問題にもなるわけで

うちの学校、保健体育の女の先生がバレーボール部顧問だったんだよね。厳しかったけど生理の理解めちゃくちゃあったからありがたかった

やっぱり「男性」指導者っていうのは一つの壁になっちゃうよね。だって実体験としては絶対にわからないんだもの

先にご紹介した伊藤華英さんの記事ですが、徐々に生理と女性アスリートとの問題は理解され始めてはいるようなのですが、正直僕は調べ始めるまで、そんな問題があることすら微塵も知りませんでした

おそらく、僕と同じようにほぼ全く知らない方が圧倒的に多いと思うのです

知ったところで何かできるわけじゃないかも知れませんが、知っておくことは大切なことだと、僕は思います。そして、知ってから理解するまで自身で咀嚼することも非常に大切だと思います。

絶対まだあるでしょ、生理来ない方がいい、っていう風習。古くからのしきたりに縛られ続けるものっていうのが、スポーツに限らず多いじゃん? 日本って

そうだねぇ。難しい問題だよね。
例えばだけど、生理が来る度に練習休んでて、成績が悪くなっちゃうとするじゃん? それはそれで本人も嫌かも知れない。けれども追い込んで練習し過ぎたら無月経になったり、選手生命を短くしちゃうかも知れない。
どちらを取るか、どうしたいのか、最終的には本人が決めるしかないんじゃないのかな?

珍しくまともなこと言うじゃん。
めちゃくそ難しいなその問いは。確かにアスリート自身が追い込んで良い結果残す方を望む場合もある……かもね。

まとめ

女性アスリートと生理の話、いかがでしたか?

普段何気なく見ているスポーツも、女性アスリートは生理とも戦わねばならないのです。

海外のアスリートの多くは、低用量ピルを服用し生理の波を抑えているようです。

伊藤華英さんの記事でも、オリンピック時に慌ててピルを飲んでみたけれどあまり効果が出なかった。もっと前に知っておけばよかった。

という記述がありました。

海外では当たり前のように使用されていても、日本でのピルはやはりまだまだ認知度も低い状態(ピルについてまとめた記事が当ブログにもあるので、気になったら読んでみて下さい)。

そもそも生理が女性にとっては必要な現象である以上、それを根本的になくすような対策というのは無いでしょうし、あってはならないのではないでしょうか?

つまりは、女性アスリートは競技に打ち込むだけでなく、常に生理との付き合い方も考えていなくてはならないわけです。

それでも、男性とは違う身体の特性を活かした女性ならではの美しさ、面白さというのが確実にあります。

日本ではオリンピックも控えていますね。

この記事を読んでくれたのであれば、もうすでに女性アスリート達への見方は少なからず変わったのではないでしょうか?

生理をも乗り越えた先にあるぶつかり合いは、より面白く、よりドラマチックに見えるかも知れません。

今後もっともっと女性がスポーツに打ち込む為にも、まずは男性が今回記事で書いたようなことを少しでも知っておくべきなのではないでしょうか。

男性みんなが生理への理解があれば、マジで世界は変わるからね

それが難しい事だからこそ、少しずつでも発信していくことに意味があるんだね