男性諸君、まず正直に答えて欲しいのです。生理とは何なのか、説明できるでしょうか?

男性が生理について知っておいた方が良い理由の冒頭で書いたように、どうしたって僕らは生理を体験できないのです。
故にわからない。なかなか知る気にもならない。
しかし知るべきであり、彼女あるいは奥さんあるいは気になるあの子との関係をよくする為にも絶対に知っておいて損はないことなのです。
目次
生理が男性に起きたとしたら
生理痛に苦しむ女性達の痛みを完全に理解することは難しいのですが、僕の妻がヒントをくれました。
ある日僕はとても酷い下痢で、物凄い腹痛に苦しんでいました。
するとそれを知った妻が僕にこう言いました。
「その痛みに加えてちんこから血が出まくるのが生理だから覚えとけよ。しかも毎月数日間続くんだからね」
なにそれ拷問じゃん。え、血はどうやって処理するのさ?
もちろん生理痛と全く同じレベルの痛みかどうか、というのは男の僕には知る術がありませんが、例えとしてはなかなかインパクトのあるものでした。
ゲッコちゃん、これって本当? そんな痛いの?
人によるけどね~。私の場合は股間にタイキックされながらめまいと吐き気が同時に来てる感じ
ゲッコちゃんすごい重い子なんだね。大変だぁ
はいはい、微塵も心配なんかしてくれてないくせに
生理は繰り返す
そもそも生理というのは、女性の体が子供を作る為の準備の一つです。
大体平均して12歳ぐらいから初潮(初めての生理、月経の事)が起こり、1~2年経つと子供が出来るようになると言われていますが、当然個人差があります。
そして初潮が起きてからは、閉経(生理が来なくなり、子供もできなくなる)する50歳前後まで、ずっと生理を繰り返します。大体月に一度。
細かく言うと、通常の生理周期であれば28~35日です。
これは月の満ち欠けの周期29~30日とかなり近く、これが生理を月経と呼ぶ理由にもなっている説もあり、また世界中で月と生理とが結び付けられている根拠にもなっています。
さて、繰り返すと書きましたが、一体何を繰り返すのかというと……
1.卵胞期(らんほうき)
卵巣の中で卵子が成長し始める期間。生理が1サイクル終わって、次の1サイクルの始まりに当たります。
「さぁてまた子供作るために一仕事するわよぉ」という状態。
2.排卵期(はいらんき)
作られた卵が卵巣から出ていき、卵管を通って子宮へと向かう時期。
「いいタマゴできたし、精子さん待ち部屋へ向かうわよ!」という状態。
3.黄体期(おうたいき)
子宮の中が変化し始め、子供を迎え入れる準備も最終段階。
子宮内膜が柔らかくふわふわの部屋のようになり、
「準備万端、さぁ赤ちゃんいらっしゃい」モードに。
仮にこの段階で精子が見事卵子ちゃんのハートを射止めた場合、妊娠します。
4.月経期(げっけいき)
しかし何も起きなかった場合、準備した赤ちゃん用の子宮内のお部屋は外に出します。
「来んのかーい!」
という叫びと共に部屋(子宮内膜)は崩れ、剥がれ落ち、血の流れに乗って体外へと出ていきます。リサイクルするわけにもいかないので、次のサイクルに備えて大掃除されるわけですね。
↑↑ここが生理(月経)!
そしてすべては繰り返すのです。
子供を作る為にも必要な現象なんだね
そうだけど、やっぱり女だけこんな思いしなきゃいけないのはちょっと腹立つ。てかあんたの態度が腹立つ。
もしかしてゲッコちゃん生理前なのかな……
生理と女性ホルモンの関係
ここで少し女性ホルモンについて勉強しましょう。
というのも、女性の生理(月経)はほとんどこの女性ホルモンによって起こるからです。
さらに、女性ホルモンは男性の体でも作られます。その割合が(一般的には)男性の場合は女性より少ないだけなのです。
主に女性ホルモンは二つ。エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)。
生理周期とホルモンバランスの推移を簡単なグラフにしたのでご覧ください。ざっくりですみません。

エストロゲンは女性らしさを
まずはエストロゲン。このホルモンは子宮内膜を厚くする際に作用します。
また、それ以外にも全身の血や骨や神経、さらには筋肉に至るまで、あらゆる箇所に影響を及ぼします。
逆にエストロゲンの分泌量が多い時は、髪の毛がつややかになり肌も若々しく為に一般的に女性ホルモンという場合はこのエストロゲンを指していることが多いようです。
生理前に差し掛かり、このエストロゲンの分泌が減ってくるのと同時に、身体の様々な箇所の調子が悪くなるのは、このエストロゲンが身体のあらゆるところで普段頑張ってくれているからなのです。
エストロゲンの分泌が減少するタイミングは、生理前から生理終わりまでの間、更に閉経後もエストロゲンの分泌量は減ります。
この為に閉経後の更年期に、エストロゲンの減少によって体調不良が起きやすくなってしまいます。
エストロゲンだけをまとめた記事も書きましたので詳細気になる方はご覧ください。
とにかくめちゃくちゃ大事ってことだね
だねー。生理前の不調と肌荒れとかが重なっちゃうのもエストロゲンの減少が関係してたってことかぁ
妊娠サポート役のプロゲステロン
次にプロゲステロンですが、こちらは主に排卵後から分泌が始まり、基礎体温の上昇や、更に子宮内膜を厚くし、妊娠し子供を育てる部屋作りの仕上げにかかります。
子供を作る上では非常に重要なプロゲステロンですが、いわゆる生理前の不調を起こす引き金になっている側面もあります。
ですが何にしてもプロゲステロンが陰の立役者として妊娠する為の仕上げをしてくれているのです。
子宮に全力投球し過ぎて子宮以外の全身で不調が出てしまう、と考えることもできるかも知れません。
こちらもプロゲステロンのみ記事作りましたので、踏み込んで知りたい方はどうぞ。
ホルモンバランスと脳の関係
では、一体これらのホルモンを出す指示を出しているのはどこのどいつか?
というと、それは脳です。
そりゃそうだろ、と思うかも知れませんが、脳からの指令でホルモンが出されるということは、脳に悪影響があるとホルモンの出される指令がうまく成されないということでもあります。
お酒、タバコ、ストレス、睡眠不足などなど、これらが生理によくないと言われるのも脳がちゃんと指示を出せなくなってしまうからなんですね。
ってことだから、あんたも生理近くなったら私に話しかけないでね。大体あんたムカつくこと言うから
ストレスになってたんだね
逆に今気づくってすごいと思うけどね
生理がなぜ女性にとってツライのか
生理が子供を授かるうえで絶対に必要な女性特有の現象であることはなんとなくわかったかと思います。
僕たち男が産まれたのも、生理なくしては起こりえない事だったわけです。
母ちゃんありがとう!
その生理を毎月繰り返しているあなたの恋人、妻。
女性がたまに「男って生理もないし楽でいいよねぇ~」なんて言っているのを聞きます。
はいはいそうだね何言ってンの、ぐらいに思っていた時期もありましたが、今では「割とガチで言ってたんじゃねぇかな」と思います。
「でも子供を作るための準備なら仕方なくね?」
なんて思っちゃったチャラめのあなた! 生理がなぜ世の女性達を苦しめているか、それはPMS(月経前症候群)や、こまめに替えなきゃいけないナプキン問題、増大するストレスなど、多くのツライ現象が起きるからなのです。
更に絶対に知っておかなきゃならないこととして、生理が来るタイミングや、PMSの症状や重さ、血の量などなどなどは、個人差がかなりあるということ。
生理痛やPMSが比較的軽い女性もいれば、立っていられないレベルでツラく苦しい痛みや気怠さに襲われる女性もいます。
ちょっと知った情報の、平均的な数字だけを鵜呑みにしてパートナーに当てはめてはいけません。
個人差があるっていうのは本当にそう。実際私の周りもみぃんな症状違ったりしてるからね。
どの時期が女性にとってツライ時期なのか?
ここめっちゃ大事です。
生理が始まってからは、血が出ますからナプキンをこまめに替える必要があります。頻繁にトイレに行くことになり、無理解な男性から「あいつまたトイレ行ってるよ」なんて思われることも。クソ童貞が! と僕の妻なら言うところです。
そして子宮内膜を血と共に外に排出する際に痛みを伴います。これが生理痛。
これは先に述べたように個人差がかなりあるようですが、内臓の痛みですし、そりゃもうかなりツライもののようです。
どうしても聞いた話、調べた情報でしか語れない点だけはお許し下さい。
因みに僕の妻は、かなり色々な症状が起きるようで、便秘になったり、下痢になったり、すごく眠くなったり。
また、僕の妻の生理2日目ぐらいからは、アソコに青あざが出来てそこをずっと強く押され続けてるような痛みが続くのだそう。
想像……したくもないしできません。
生理前も大変で生理中も大変……。女の子って辛すぎない?
まぁずっとそうだから受け入れてるけど。ってか受け入れないとムカつくだけでしょ? それとは別であんたはムカつく
さてなんとか生理も終わり、新たなサイクルへと突入。
このあたりで体調が良くなる女性が多いのだそうですが、僕の妻は生理終わると大体謎の下痢に襲われるのだとか。ここもかなり個人差あるのでしょう。
そしてまた女性の体は子供を作る準備を始めます。
そして次の生理が近づいてくる頃、
「何イライラしてんの? 生理前なの? ヘヘヘ」
と、ノンデリカシーなメーンがうっかり言ってしまいめっちゃ喧嘩になる――最も男子諸君は気を付けなければいけないPMSシーズンに入ります。
Premenstrual syndrome
どうせ男はPMSが何の略か、ぐらいにしか興味なんてないのです(偏見)。
PMSの正式な読み方を偉そうに女性の前で語ってドン引きされたりしないように気を付けて下さい。
とんだ勘違い野郎にならないためにも、ちゃんと知っときましょう。
premenstual syndrome=月経前症候群。月経が英語でmenstruationなので、preを付けて月経前。Syndromeは症候群なので月経前症候群ということです。
生理のことを女性間で「メンス」なんて呼ぶことがあるようですが、それはココから来てるようですね。
時期は生理が始まる3~10日前と言われており、症状は実に様々。
腹痛、頭痛、眠気、むくみなどから始まり、男性が最も気付きやすいのではないかと思うのが、怒りっぽくなったりイライラしやすくなる点。
ここをいかに素早く察知できるかが我々男子にとっては最重要です。
それがわかれば、すぐさまこちらのイライラメーターの上限設定をなくし(何をされても、言われても耐えるというほどの意味)、全力で気遣いし、明日パートナーがいなくなっちゃうんじゃないかというレベルで優しい言葉をかけれるようになります。
あとは女性のこの言葉を待ち続けるのです。
「生理キタ」
そしてすべては繰り返す。
そんなのツライって?
たぶん、きっと、僕らの何倍も彼女達はツライ生理を毎月繰り返しているのです。それに比べたら……ねぇ?
生理キター! もうイライラされずにすむぅ!
ん?
……などと言っちゃダメっていうことですよ、皆さん!
まとめ
おさらいしておきましょう。
生理とは女性特有の、子供を作る為に女性の子宮内で起こる現象のこと。
それを初潮から閉経までの間、妊娠した場合を除いてほぼ月に一度のペースで繰り返します。
特につらいのが生理中に起こる様々な痛みや、生理前にPMS(月経前症候群)によって起こる様々な体調不良、不快感。
そしてこれら全て、周期や生理中の症状、PMSの重さには個人差が大きくある、ということ。
最後に最重要なことを教えます。
これらをざっと理解したからといって、偉そうに生理のこと語ったり上から目線での見え透いた気遣いなどをしないこと。
結局男性には生理のつらさを真に理解できることはないので、生理に対しては常に謙虚であるべし。
僕は過去にこのあたりの心構えがなかったせいで、何度鬼を出現させてしまったことか。
もう一つ。
恋人、奥さん以外の女性に生理を語らないこと。
そういう話もできる関係性をしっかり築けているのであればいいのですが、ちょっと仲良いぐらいの関係の女性に生理の話を偉そうに語っちゃったりしたらもう、ヤベェ奴か、裏でめちゃくちゃキモイキモイ言われると思います。
しかと胸に刻みつけるべし。