
女性の生理は、様々な病気を知らせるサインの役目も果たすこと、知っているでしょうか?
女性自身はある程度知識があるかも知れませんが、男性で詳しく生理に関係のある病気を知っている方は少ないかと思います。
このブログを始める前の僕自身に
「生理に関係ある病気ってわかる?」
と聞いても、おそらく全く何も答えられないことでしょう。
そもそも、生理に関する病気を知らない事を男性は恥じる必要もないと僕は思います。
なぜなら、一体どういう人生だったら生理に関係する病気を学べたでしょうか?
教えてくれるような人も、機会も、残念ながらほとんど無かったと思うのです。
少なくとも、僕は誰からもそのような事は教わらずに生きてきました。
というわけで、今ここに辿り着いた男性は少しでも知っておきましょう。
ただし、割とガチ目で長目の記事ですので、気になる項目のみ目次から読んでみて下さい。
あーまじで男も血出して苦しまないかなー
血も出ずブルンブルン息子振り回すだけでほんとすみません
目次
女性の兆候別もしかしたらこの病気かもリスト
女性自身なら詳しくわかるはずですが、男性が女性の体調不良や生理の異変を察知するのは至難のワザ。
それでも、パートナーに対して簡単な質問をしてみるぐらいならできるはずなので、参考程度にリストを活用してみてください。
1つ、絶対に覚えておいて欲しいのが、どのようなサイトやブログであっても医師の正確な診断には劣ります。
素人の判断は誤る事が多々ありますので、パートナーなどに起きている症状が重かったり、長い期間続くようであれば、安心する為にも医師に相談するようすすめてあげてください。
自己判断で大丈夫、なんて思い込むのは最悪の結果を招く可能性もありますから。
生理前がつらすぎる
生理前の精神的な乱れや体調不良は、月経前症候群(PMS)、または月経前不快気分障害(PMDD)の可能性があります。
PMSについては、過去に書いたPMS(月経前症候群)はいつからいつまで? 男と女それぞれの苦悩に詳しいのでご覧ください。
PMDDについても、過去にPMSとPMDDの違いについて書いた記事があるので、そちらをご覧ください。
生理が始まってからがつらすぎる
生理前ではなく、生理が始まると日常生活に支障をきたすレベルでの不調が起きる場合、月経困難症である可能性が高いです(いわゆる生理痛は月経困難症とほぼイコール。特に重い生理痛を月経困難症と捉えてよさそうです。)。
月経困難症は、特に病気などにかかっているわけではない「機能性」のものと、大元になっている病気がある場合の「器質性」とがあります。
機能性の場合は主に自然な生理現象であり、若い年齢であればあるほど症状が重い傾向があり、年齢が高齢になるほど軽くなるようです。
一方の器質性は、痛みなどに病気という元凶がある厄介なもの。
正確にどちらの月経困難症なのか見抜くのは簡単ではありませんが、ヒントとなりそうなのは、
・突然生理痛がひどくなった
・生理痛がやたら長い期間続く
・生理後なのに生理痛がおさまらない
これらが全て当てはまってしまうような場合はなんらかの病気が原因となっている器質性月経困難症の可能性があるので、早急に婦人科で診てもらいましょう。器質性月経困難症の元となる病気については後述します。
最悪の場合は不妊の原因にもなるから、恥ずかしがらずに婦人科行った方がいいかも
人生に関わる問題だからね。ほんとマジで
生理ではないタイミングで出血する
生理中でもないのに、生理中のような出血がある症状は、不正出血です。
比較的身体も安定していない若い年齢、または更年期に近い年齢でも現れやすく、
不正出血にも月経困難症と同様に、特に心配することもないホルモンバランスの乱れなどによって起こる「機能性」の不正出血と、なんらかの病気が不正出血を起こしている「器質性」の不正出血とがあります。
特に問題のない不正出血で多いのが、生理と生理の間、排卵が起こるタイミングで起こる中間期出血。
もし不正出血がある場合は、それがいつ起きたか、しっかり把握しておくと中間期出血かどうかわかりやすいかと思います。
いずれにしろ、不正出血が不定期に起こる場合などは婦人科で診てもらいましょう。
生理の来るタイミングがおかしい
生理が来る周期がバラバラ、一般的な生理周期の倍(あるいは半分ほど)の周期になっている。
など、男性も一度は女性からそのような話を漏れ聞いたことがあるのではないでしょうか?
または若いカップルなんかが生理がなかなか来ないからと
「妊娠させちまったかもヤベェ」
と早とちりするのもよくある話。もちろん、実際に妊娠したケースもあるでしょうから一概には言えませんが。
それすなわち生理不順です。
生理不順は読んで字のごとく、生理が来るタイミングが不順になること。バラバラになってしまう事です。
一般的な生理周期の28日を大きく超え、39日以上間が空いてしまうのを「稀発月経」と呼びます。要は間隔空きすぎ生理です。
反対に、生理周期が24日以下という短い周期になってしまっている場合は、「頻発月経」と呼びます。こちらはわかりやすいですね。
思春期なんかは特に生理不順になりやすいようで、ちゃんと生理が来るのであれば基本的には問題ないです。
主な原因は女性ホルモンの乱れで、特にストレスや精神的な負担がかかると起こりやすいので、生理が周期通りに来なければ「あーストレス溜まってるわぁ」と、判断する材料にもなります。
ただしこの生理不順も、あまりに長い期間不順が続く場合はなんらかの病気を併発している可能性もあるので、不順だけでなく痛みや経血量が多いなど他の症状がある場合は婦人科の医師に診てもらうのがいいかと思います。
生理が来ない
三か月以上生理が来ない場合、または初潮が16歳を超えてもまだ来ない場合などは、
無月経
の疑いがあります。
妊娠の可能性がある場合はまた別ですが、初潮が極端に遅い場合などは念のため婦人科に行くべきです。
目安としては、先に書いたように、16歳以上になっても来ていない場合。
初潮の平均年齢が12歳ほどですので、何らかの病気が潜んでいる可能性もあります。
また、スポーツなどで過度な身体的負担を日々かけ続けている場合も、無月経になりやすいようです。
スポーツが無月経を引き起こす要因としては、過度な運動による身体的な負担の増加、体重を維持しようとするエネルギー不足、精神的ストレスなど。
それらの影響で女性ホルモンがしっかりと分泌されなくなり、月経そのものが止まってしまうのです。
経血量が多過ぎる!
生理中、排出される経血量が多過ぎる場合、過多月経かも知れません。
そもそも生理には個人差があり、女性も自分以外の方の生理事情についてはほとんど知らないケースが多いのではないかと想像します。
すると何が起こるか?
仮に自分の生理に何らかの異常が起きていたとしても、それに慣れてしまっていて特に変に思わないケースが往々にしてあるのです。
ある意味仕方のないことで、そりゃ生理が始まってから自分だけの生理周期や経血量などがあるわけで、それに慣れていれば「おかしいかも」とはなかなか思えませんからね。
この過多月経も同様で、ずっと経血量が多い生理に慣れてしまっていて、それが一般的な量以上であることになかなか気づけないんですね。
そこで男性も知っておいて欲しいのです。
男性は間違いなく女性の生理を客観視できる存在なので、女性自身が気付いていなくても、男性なら異常であることに気付き、指摘できる可能性もあると思います。
その為には、パートナーが男性に生理のことをある程度話してくれるか、あるいは男性が超観察眼で見抜く必要があるので、簡単ではありませんが。
例えば過多月経の場合、ナプキンを替える頻度でも察知はできますが、流石に女性が恋人であってもわざわざ
「ナプキン替えてくるねー」
とは言ってくれないと思います。
それ以外に察知する方法としては、女性が貧血気味でないかどうか? を観察することでもある程度察知できます。
当然、過多月経は経血量が多くなってしまう症状が現れるので、生理が来るたびにパートナーが貧血気味になっていたら、過多月経の可能性があります。
他には、経血にカタマリが混ざっているような場合も血の量が多く凝固してしまっている状態なので、過多月経の可能性が考えられます。
これはなかなか見せてはくれないでしょうけれど。
私も量がちょっと多いかな、と思ったことはある。
今はそんなことなくなったけどね
機能性か器質性かの見極めはなかなか難しそうだよね
生理に関係する三大良性疾患

ここまで紹介してきた様々な兆候と症状。
機能性である場合は特に問題はないのですが、何らかの病気が原因となっている器質性の場合は婦人科で診てもらうべきです。
ではその何らかの病気とは何なのか?
ここでは三大良性疾患とも呼ばれる三つの生理に関係のある疾患を紹介します。
男性であればここに激烈な興味を持つことは難しいでしょうが、楽観視してると痛い目に合うかも、ということだけ感じて頂ければ充分です。
子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)
男でもわかる生理の仕組みなどの記事をしっかり読んでくれた方はもしかしたら理解しやすいかもしれない子宮内膜症。
女性が妊娠する為に子宮の中で子宮内膜をフカフカにして、子供を作る為の準備を始めます。
しかしこの子宮内膜症というのは、子宮内膜と似た組織が子宮以外の箇所にもできてしまう病気です。
卵巣や卵管、そして腸。ひどい時は肺などにできてしまうことも。
この子宮内膜症にかかっている方は、ほとんどの場合月経困難症を発症します。
つまり、生理痛が日常生活に支障を来すレベルで酷くなったりするわけです。
逆に、月経困難症を発症している女性が子宮内膜症である可能性というのは、2割ほど。
なんだ2割か、じゃないです。
言い換えれば、生理痛が毎回すごく酷くてツライ女子の5人に1人は子宮内膜症の可能性がある、ということですからね。
むしろかなり恐ろしい確率です。
更に、子宮内膜症になってしまうと、最悪の場合妊娠しづらくなる可能性もあるので本当に軽視できません。
子宮内膜症の主な症状は、
- 特に多いのが酷い生理痛(あるいは月経困難症)
- 経血量の多い過多月経
- 不正出血
- 性交痛
などなど。
不安であれば迷わず婦人科へ!
子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)
子宮筋腫は、子宮内にコブのような塊が出来てしまう良性腫瘍です。
良性の、と書いた通り悪性腫瘍(ガンなど)となるケースは0.5%という極めて低い確率で、基本的には放置して大丈夫な腫瘍なのです。
ただ、悪性化するのは稀であるとは言え、筋腫が大きくなりすぎると不妊の原因にもなります。
子宮筋腫が出来る原因というのは、残念ながらはっきりとはわかっていません。相変わらずまだまだ謎の多い子宮内の神秘。
ですが、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌により筋腫が育ってしまうためとされています。
粘膜下筋腫、筋層内筋腫、漿膜下筋腫、と筋腫が出来る位置はいくつかのパターンに分かれます。
もっとも多くの方がなり、かつ筋腫が小さければスルーして大丈夫なのが筋層内筋腫。
しかし大きくなってくると、激しい生理痛や経血量の増加を伴います。
もっとも気づきにくい(具体的な表層的変化が出にくい)のが、もっとも漢字が読めない漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)。
気付きにくい理由というのは、漿膜下筋腫だけは子宮の外側に向かって出来る為、具体的な症状が出にくいのです。
粘膜下筋腫は、子宮内膜にでき、内側に向かって育ちます。
粘膜下筋腫は、大きさに関わらず経血量増加や生理痛を伴いやすいです。子宮内膜にできてますからね。
わかり易いわかりにくいとか考える前に漢字が多くて頭がおかしくなりそう!
安心して、私はもう読むの諦めたから
子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)
最初に説明した子宮内膜症と似てはいるものの、こちらの子宮腺筋症は子宮以外ではなく子宮内に子宮内膜に似た組織が育ってしまう病気です。
子宮内にできてしまうと何が起きるか?
というと、子宮全体が腫大(しゅだい)してしまいます。
簡単に言えば、子宮全体が大きく腫れちゃうんですね。
その為、子宮内膜症以上に激しい生理痛が起きたり、ひどい過多月経が起きたりします。
これが一番わかりやすかったね。
そんで一番怖い
子宮全体が腫れるって……ちょっと理解できる範疇超えてる
まとめ
子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症という三つの良性疾患。
これらに共通する兆候に気付いたでしょうか?
激しい生理痛(月経困難症)も、経血量の増加(過多月経)も、三大良性疾患の兆候に全て含まれています。
何が言いたいかというと、
生理痛が激しい・血の量多い、という案外よくありそうに思える生理の悩みが
実は軽視できない疾患になる(またはなっている)可能性をはらんでいる、
ということです。
特にそれらの症状が繰り返し生理の度に起きているようであれば、婦人科へ行くべきです。
閑話休題――
このような生理に関係する病気を知っておくことに意味はあるのか?
と、シンプルに思った方もいるかと思います。
特に男性はそう思うかも知れません。
しかし、僕は男性こそ知っておく意味があると思っています。
というのは、生理という現象を繰り返し耐え抜いている女性自身が、病気についてはあまり知らないケースが多いようなのです。
うるせぇ知ってるよ、と女性の方が言うのでしたら申し訳ありません。
ただ、少なくとも僕の周辺の女性は、なんとなぁくしか知らない方が多かったのです。僕の妻含めて、です。
私もほとんど知らなかったかな。子宮内膜症とか子宮筋腫とか、名前だけは知ってる人多いと思うけど、どういうものかっていうのはやっぱり詳しくは知らないかも
生理痛重いとかに該当する女の人は知ってる割合高そうだけどね。でも実際ならないと調べたりもしないか
そこで男性に出来る事があります。
至ってシンプル。ここで読んだ兆候やそれに関係している病気などの話を、ざっくりでいいので女性にしてあげるのです。
するともしかしたら、そういった病気を知らなかった女性も、自分と照らし合わせて
「あれ? もしかして……」と気づくことができるかも知れません。
先に書いたように、女性自身も具体的な生理の体験というのは当然ながら自分自身でしかしていません。
するとそれが当たり前であると思い込み、異常に気付かないケースというのが多いようなのです。
異常かもよ? というヒントを与える事は、生理を体験しない男性にも出来ることなのです。
ちょっとした話で女性がヒントを得、自身の生理の異常さに気付くことができたなら、それだけでも大きな意味があることだとは思いませんか?